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2009年11月17日

シリーズ「医学論争」 子宮ガンは切らないで治す



たとえば体のどこかに腫瘍(ガン)が見つかり、摘出した上で完治すれば

「早期発見が大事だ」というような事が絶えず言われます




しかし検査によって子宮ガンが見つかるケースは、

交通事故に遭う確立より実際には低い。






子宮ガン検診で腫瘍が早期発見できる確立は1万人に3〜4人。



わずか0.04%の発見可能性の為に、

毎年多くの人が子宮ガン検診を受けます。




そのストレスや煩わしさとガン発見の可能性を天秤にかけたとしましょう。


仮に「アナタは子宮ガンです。命に関わるので摘出手術をするべきです」

と宣告された女性は、子宮を摘出した結果、子どもが生めない体になってしまいます




新婚の奥さんや独身女性の方にとって、
検診のご褒美が子どもを生めなくなる事だとしたら


あまりにも残酷なのではないでしょうか






2000年にタレントの向井亜紀さんは妊娠中に子宮ガンが見つかり、

出産を諦めて子宮の全摘出手術を受けました



「女性は恥ずかしがらずに産婦人科に行き、検診を受けてほしい」

と涙ながらに訴える彼女の姿が印象的でしたが、



しかし向井さんのようなケースは放っておいても、

腫瘍が大きくならなかったことが、後になってわかりました





ここで問題なのは、ガンが見つかったからといって

すぐ摘出手術をすることが臨床的に妥当と言えるかどうかという事です



向井さんの例を見てもわかる通り、

検診で発見される程度の子宮頸ガンの腫瘍はまったく大きくなってこない、

中には腫瘍そのものが消えてしまうケースすらあるといいます





統計的に解析すれば初期の子宮頸ガンの8割〜9割は大きくなることがありません。


仮に残りの1割のケースで腫瘍が大きくなったとしても、

9割の人は「切られ損」ということになっていまいます






私はリスクリターンやコストパフォーマンスの考え方について、

これまで実に多く語ってきましたが、
それはこの医療の現場においても例外ではありません




コストをかけてまで子宮ガン検診のストレスや煩わしさにさらされるよりも、

明確な自覚症状が出てから検査を受け、治療するようにした方が、

結果的に患者にとって得なのではないか






しかしなぜ病院ではこういう事態がしばしば起こるのでしょう



それには病院側の構造的な落とし穴があるようです



つづく




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